イギリスでのホリデー(Paid Holiday)について
(更新日:2025年3月18日 )
日本人はイギリスの労働法を知らないだろうと高をくくって、日本人雇用主が日本人、特に日本からやってきたばかりの若い人々をだますことが残念ながら起きています。
権利は誰もが平等にもっているものですが、それを侵害するひとびとは存在して、侵害が起こったときには、侵害が起こったことを認識し(=法律を知っている)、正当な権利をかちとるために行動を起こす必要があります。
日本人の雇用主が日本人だけをだまし、ヨーロピアンをだまさないのは、ヨーロピアンは自分の権利を行使して、侵害されれば、きちんと公式な場所に訴えるからです。
「日本人は絶対に訴えない(から、だましてもいい)」と言っている日本人雇用主も見ました。
この記事の最後に、公式な相談所の記載をしているので、自分の権利が侵害された場合は、自分のためだけでなく、これから働くであろう人々のためにも、可能であれば、訴えましょう。
イギリスでは、
3つの働く形態(Worker/Employee/Self-employed and Contractor)があり、前述の2つ、Worker,Employeeの場合は、国の定めるstatutory leave entitlement(スタチュトリー・リーヴ・エンタイトルメント)/statutory annual leave(スタチュトリー・アンニューアル・リーヴ)の権利(Paid Holidayー給料が通常通り支払われるホリデー)があります。 日本のような、正規・非正規、フルタイムでのパート(非正規だけどフルタイムで働くというイギリスではありえない雇用形態)等のいびつな仕組みではないので、パートタイム、ゼロ時間契約でもほとんどの場合が、Worker, Employee(エンプロイー/従業員・社員・雇用者)というカテゴリーに入り、多くの権利があります。
これは、契約書には書かれているので、チェックしておく必要があります。
現在のところ、スタチュトリー・リーヴ・エンタイトルメントは、週5日働いていれば、5x5.6=28日となります。
スタチュトリー・リーヴ・エンタイトルメントの上限は28日で、たとえ週6日働いていても、28日です。
ただし、Bank Holidaysをここに含めることも合法なため、2025年だとBank Holidaysは合計8日となるので、20日が最低限のホリデー日数とすることも可能です。
イギリス政府の公式サイトのこのページのEntitlementの項目に上記が明記されています。
不規則な時間で働いている場合などは、イギリス政府の公式サイトのここから、質問に答えていくことで、計算されたホリデー日数が表示されます。
もちろん、企業が、国の定めた日数よりも多くホリデーを定めることも可能です。
ホリデーは、働き始めた日から積み重なりはじめ、病気の間、マタニティー・リーヴの間も積み重なります。
たとえ、契約が1年以下であっても、その期間に応じたホリデー期間の権利(普通に給料が支払われる)があります。
例えば、週5日働き、26週間(1年は52週で計算されるので、これは半分とみなされる)の契約だった場合、28日の半分の14日ホリデーを取る権利があります。
その場合、期間が限られているので、ホリデー分は会社が買い取り、ホリデーを取らない分を働いている人に支払うというケースも見ますが、労使間で合意ができている場合はそれも通用します。
また、パートタイムの場合、週3日働いているとすれば、3x5.6=16.8日(年間)のホリデー取得となります。
なお、この16.8日分の、0.8日については、会社側が16日にしといてね、ということは法律上できません。
早めに仕事を切り上げる、仕事に普段より遅く出勤等で、0.8日分をきちんとホリデーとして取得する必要があります。
ホリデーの翌年への持ち越しができるかどうか、どの程度の日にちを持ち越し可能なのか、企業が買い取る(ホリデーを取らない分を払ってもらう)等は、企業の決まりによってもさまざまですが、基本は、ホリデーはきっちり取ります。
休むことは、働く人たちの権利でもあり、ひとびとがリフレッシュしてまた仕事に戻ってくるのは、会社にとってもいいことです。
もし、会社がホリデー取得を拒否する場合(もちろん、いつホリデーを取るかは、前もって、ビジネスの都合や本人の都合も話し合って合意する必要あり)や、ホリデーの権利はないと嘘をいう場合は、話し合うことが第一ですが、話し合うことが難しい場合や、会社側が話し合うことも拒否したりする場合は、迷わず、ACASかCitizens Adviceへ相談しましょう。
どちらも無料の公式相談所です。
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