存在しない借金や未払金の取り立て
存在しない借金や未払金の取り立て
(更新: 2025年3月6日)
※私は法律の専門家ではないので、道路標識のように、どこで正しい情報が得られるか・相談できるかという参考程度に
突然、ガス会社や電気会社から、未払い分があるのですぐに払うようにとの手紙が届くことがあります。
この場合、ガス会社や電気会社からくるのではなく、法律会社からの場合もよくあります。
契約をしたこともない電気・ガス会社から届く場合も多く、詐欺だと思って無視する人も多いし、無視するのがベストな選択の場合もあります。
ただ、念のため、確認しておいたほうがいいのは、その法律会社が実際にイギリスに登記されている企業なのかをイギリス政府の公式サイトのここから確認して、その会社が存在するのか、長期間にわたって営業している会社なのか、会社の経営者は誰か、所在地はどこか、ウェブサイトの情報等をざっと調べておくことは、この手紙を無視するべきか、なんらかのアクションを取ることが必要なのかを判断する目安になります。
ただ、実際に存在する企業の情報を違法にコピーした内容を手紙に使っている可能性も否定はできず、下記のFCAのサイトや、いくつかの違った角度から情報をチェックする必要もあります。
また、Financial Conduct Authority (FCA)のサイトから、未払金等の借金を取り立てすることのできる資格をもっているかどうか確認することもできます。
MoneySaving Expert.comに、多くのひとが似たような例をあげていて、どのように対処したかをざっと見ることも参考になります。
もし、debt firm(借金を扱う会社ー倒産した会社からそれらの借金を買った場合もある、あるいは倒産した会社の倒産整理をしたコンサルティング会社が、debt firmに未払金取り立てを請け負わせる場合もあり)やそのdebt firmとの契約で未払金の取り立てを行っている法律会社もきちんと営業を行っている企業のようで、手紙が2回目に届いたような場合は、その間違った取り立てをストップさせるために、アクションを取る必要がある場合もあります。
不安な場合は、Citizen Adviceにすぐ相談しましょう。
ここには、イギリスの事情があります。
イギリスの場合、電気会社が多く倒産した時期に、倒産した電気会社の顧客を、営業している電気会社に自動的にスイッチを行い、電気が途絶えることのないような措置が行われました。
その際に、倒産した電気企業への未払い分(多くの場合、以前の電気使用量から電気企業が年間使用量と金額をおおお予測して課金している場合が多く、電気価格が一気にあがった場合、支払っている金額より、実際に使用した額が高くなる場合もーこれが未払い分となった)がそのままに放置されていたケースが多くあるようです。
たとえ、未払い分があったとしても、脅かすような未払い請求が法律会社からくるのではなく、詳細な説明を行う手紙やコミュニケーションがまずあるべきなのですが、それが行われない場合も多くあるようです。
また、フラットシェアをしていたときに、誰か一人が代表して電気代金を払っていて、そのInvoice(領収書)はシェアしていなかったり保存していなかったり等で、数年前の電気代の未払いがある、と言われてもそれが本当なのかどうか判断がつきにくいときもあります。
中には、自分のCredit Ratingに影響が出ることを恐れて、とりあえず払ってしまった人もいるようです。
もし、連絡を取る必要があると判断した場合は、法律会社に、未払金がある証拠を提示するよう求めましょう。
これは、手紙でもいいし、電話でもいいのですが、すべて記録をとっておく必要があります。
その際には、自分の個人情報や情報を与える必要は全くありません。
相手は、生年月日の確認や、未払金があるという時期にどこの会社と契約していたか、誰が契約者だったのか等を聞くかもしれませんが、情報を与える義務もなければ、その情報があとからどう使われるかもわからないので、とにかく、証拠を提示するよう主張しましょう。
まず、未払金があると主張している会社が、証拠を示す努力をするのが当然で、話はそこからです。
証拠が示せない場合は、そこで終了で、それでも手紙を送ってくる場合は、Financial OmbudsmanへComplain(苦情)をあげます。ここから情報が確認できます。
[参考]
money saving expertサイトにある、「British GasやE.Onからの存在しない未払金についての督促を受けたらどうするか」
https://www.moneysavingexpert.com/news/2022/06/hundreds-of-households-wrongly-sent-legal-letters-saying-they-ow/
Ofgemの「もし過去にさかのぼった請求(Back Billing)を電気・ガス会社から受けた場合どうするか」
ー ルールがあり、支払わなくていい場合もあります。
https://www.ofgem.gov.uk/information-consumers/energy-advice-households/what-do-if-you-get-back-bill
Citizen Advice
「過去にさかのぼった請求(Back Billing)について」
実際にその請求が正当なもので支払う必要があっても、すぐには支払う余裕がない場合の対応についても記載されています。Citizen Adviceは外国人に慣れていて親切なので、悩まずにすぐ相談しましょう。
https://www.citizensadvice.org.uk/consumer/energy/energy-supply/problems-with-your-energy-bill/you-havent-received-a-gas-or-electricity-bill-in-a-while/