イギリスで携帯電話が盗まれたときの対応

Mobile phone(モバイルフォン/携帯電話)をShoulder Surfing(ショルダー・サーフィング/肩越しに暗号等を観察)で盗むケースが急増ー対策

(更新日ː 2024年9月19日)

既に数年にわたって行われているのですが、携帯電話のロック解除をしているのを肩越しにみていて、ほんの少しの隙に携帯電話を盗み、短い時間で携帯電話上のオンライン・バンキングを通してお金を取られたり、携帯電話上に保存していたクレジットカードの情報をみてクレジットカードで大きな買い物をされたり、といったケースは急増しているそうです。

The UKの国営放送BBCの記事はここより。
上記では、Banking application(バンキング・アプリケーション・銀行のアプリケーション)やファイナンスに関するアプリケーションは携帯電話にはインストールせず、家に置いている(持ち運びをしない)機器で使うことを勧めています。

どんなに気を付けていても、犯罪者・犯罪グループは次々に新しい手を使うので、被害に絶対にあわない方法はありません。
加害者が100パーセント悪いのは当然なので、被害にあった自分を責めず、警察や専門機関の助けを求めましょう。
上記のBBCの記事では、ある日友人たちと踊りに出かけたときに、いつの間にか携帯電話を取られ、携帯電話上の銀行アプリケーションから、貯金がすべて盗まれた男性の話がありましたが、無実の被害者であることを証明して、銀行から全額が返還されました。
彼の場合は、銀行にいつでもアクセスできる便利さよりも、携帯電話が盗まれたり、なくしたときのことを考えると、銀行やファイナンスに関するアプリケーションは携帯電話上には入れない、という結論にたどりついたそうです。

それと同時に、盗まれてしまったときに、何をする必要があるのかを知っておき、準備しておくことも大切です。

The UKではよく知られているファイナンス専門家のMatin Lewis(マーティン・ルイス)さんが設立者であるWebsiteには、盗まれたときに備えての準備が詳しく書かれています。
ここから確認することができます。

簡単に訳すと以下になります。

  1. トラッキング・アプリケーションを入れていれば、携帯電話を遠隔的にブロック
    大事な情報は、定期的にほかの機器にバックアップしておきましょう。

  2. 警察に連絡ー101をダイアル
    あなたの命が危機にさらされているような場合は999ですが、そうでない場合は、101に電話しましょう。このとき、あなたの携帯電話のIMEI number(International Mobile Station Equipment Identityー多くの場合、携帯電話のダイアルパッドから*#06# を入力することによって、その機器の15桁の番号が表示されます)を報告しておくと、携帯電話が見つかったときに返してもらうことがスムーズに進みます。

  3. 銀行に盗まれたことを報告
    報告することで、勝手にローンを組まれたり、他の銀行口座にお金が移されることを防ぐことができます。銀行カード、モバイル・バンキング・アプリケーションやディジタル・ウォレットに結び付けられている銀行カードを凍結することも忘れないようにしておきましょう。
    (補足)
    The UKでは、銀行が簡単にお金が盗まれるような仕組にしていることに問題があるということで、被害者を保護する仕組もできつつあります。BBCや信頼できる政府等の情報を定期的にチェックしておきまししょう。

  4. パスワードを変更する
    Apple PayやGoogle Pay、Amazonや食品や日用品を買うためのアプリケーションのパスワードを全て変えましょう。NetflixやDisney+等も含めて。

  5. Insurance(インシュランス/保険)に連絡
    携帯電話の保険をかけているなら、そこに連絡しましょう。
    もし携帯電話に特化した保険をかけていなくても、home insurance(ホーム・インシュランス/家財保険)に含まれている場合があります。何がカバーされているか、前もって知っておきましょう。

また物理的に個人ができることとしては、以下を挙げていました。

  • にぎやかな場所、特にTubeや国鉄駅の近くでは、携帯電話を使うことを最小限に抑える

  • 周りの環境をよく観察する。どうしても公共の場で携帯電話を使う必要がある場合は、静かな場所で使う。道の端っこにいると携帯電話を盗むターゲットにされやすいので、道の端っこで携帯電話を使わない(よくあるのは、モペット(二輪駆動)や自転車で背後からやってきて、携帯電話をとって、そのまま逃げる)

  • 携帯電話は身体から話さない。携帯ケースにいれてストラップを首からかけておく等。100パーセント安全とはいきませんが、盗みにくくなり、盗もうとした人が諦める可能性もあります。

  • パスワードの一覧等は携帯電話上に保存しておかない。できれば、Password managerを使い、その都度違うパスワードを使う。ここで挙がっていたのは、 LastPass, 1Password, NordPassです。ただ、状況によっても個人によっても何がよいかは一概にはいえないので、こういったやり方もあるということを理解しつつ、自分に合ったやりかたを選び、定期的に見直しましょう。

一般的な、普段からできることとしては、機器によっても設定は違うのですが、以下を挙げていました。

  • 生体認証(顔や指紋認証)が使える場合は、それを使う(=ピンを数字パッドから入力する必要がないー現在のところ、多くはピン番号を入力しているのをのぞきみてから携帯電話を盗んでいる)

  • 「Stolen Protection/盗難を防ぐ機能」がある場合は、その機能をオンにしておく

  • Banking application(銀行のアプリケーションやファイナンスに関るアプリケーション)は、できれば携帯電話にはインストールしない。

  • もし、Banking application(銀行のアプリケーションやファイナンスに関るアプリケーション)を携帯電話にインストールする必要がある インストールする必要がある場合は、携帯電話上の銀行アプリケーションを開くときにPin(ピン)が必要であること、Payment(ペイメント/支払)をする場合には、指紋や顔認証が必要な設定にしておく、等があげられています。

Digital Wallet(ディジタル・ウォレット)については、銀行カードのようにコンタクトレスだと一日100ポンドがリミットといった限度がないため、Google PlayやSamsung上のDigital Walletだと大きな金額が使われてしまう可能性があり、かつ携帯電話をアンロックするとなんの障害もなくこのディジタル・ウォレットにアクセスできます。
できれば、使わないことを勧めています。

もしどうしても使う必要があれば、支払い状況を頻繁にチェックし、怪しい動きがあれば、すぐに銀行に連絡してFroze(フローズ/凍結)してもらう必要があります。