イギリスは、女性の権利が日本と比べるとずっと強い国ですが、私の経験上では、イギリス在住の日本人間では日本の数十年前の男尊女卑の感覚を持ち続けている人々が圧倒的な権力をもっている場合が多い、と言っても過言ではないと思います。
日本人加害者は男女に関わらず日本人のみをターゲットとすることが圧倒的に多いため、日本よりも日本人の数が少ない海外では、日本人であるというだけで、セクシャルハラスメントやその他のハラスメントのターゲットとなる確率が非常に高くなります。
交友関係だと会わないという選択も可能ですが、仕事だと立ち去るわけにはいきません。
同じ日本人間でも、駐在員(会社取得ビザ)、現地就職(就労ビザ)、現地就職(永住権)、学生(学生ビザ)等の違いで大きな力の差がうまれ、加害者が被害者よりも圧倒的に強い立場の場合が多いため、被害者がとても困難な状況に陥る可能性が高くなります。
自分の利益を守るため、或いは、何らかの特権やおこぼれを得るために、加害者の片棒をかつぐ人々も存在します。
例えば、ちょっとした食事会や飲み会に、セクシャルハラスメントが行われると知りつつ、加害者の男性(たち)に頼まれて、日本人女性が他の日本人女性たちを、そういった場に誘うことも少なくありません。このときに、セクシャルハラスメントが頻繁に起こる場だとは、告げられません。加害者の片棒を担ぐ人々は加害者なのですが、自分自身が直接手をくだしているわけではないので自分は加害者ではない、という残念な認識を持っている人々もいます。
セクシャルハラスメントの加害者も被害者も、男女どちらもがなりえます。
加害者が加害することを選択するので、被害者にはそれを避けることはできませんが、対処法や加害のパターンを前もって知っておくことで、早い段階で気づき対処を行い、被害を最小限・最短に抑えることができる可能性はあります。
また、犯罪や違法行為があれば、該当する機関に相談もできます。
加害者が加害をしなければ被害者は存在しません。
どのような状況であっても、悪いのは加害者で、被害者は100パーセント悪くないことを理解しておくのは重要です。
すべての人々を疑って常に警戒しておく必要はありませんが、信頼は行動によって少しずつ築いていくものです。日本人だから100パーセント信頼できるということはありえないし、10パーセントくらいから始めて、相手の言動をよく観察し、信頼度を調整していくしかありません。日本でしか暮らしていないと、いわゆるよく知られた会社の人々や権威のある人々、友達の知合い等は信頼できる、と思い込まされているかもしれませんが、どの会社に勤めている/どの大学を出た/どういったコネクションをもっているか等は、そのひとの人間性とは全く関係ありません。自分の勤めている会社や地位やコネクションを基盤に、自分を100パーセント信用しろ、というひとには特に注意を払う必要があります。また、自分の言うとおりにしないと、就職に不利になる/日本人たちに悪い噂をふりまいて就職ができないようにする等のEmotional Blackmail(エモーショナル・ブラックメール)を使う人々も見てきました。これは、空っぽの脅しだし、脅しを使うということが既に「ひと」として間違っているので、惑わされないようにしましょう。
安全に暮らせることは、移民であることや性別、国籍に関わらず基本的人権ですが、世界は完ぺきではなく、基本的人権を守るためには、知識をつけ必要や状況によっては戦略的に対処する必要もあります。問題がなく自分が冷静なときに、何か起こったときの対処法を知って備えておけば、怖れることはありません。
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